食欲をそそる香辛料と旨味が溶け込んだスープ、つるりとした麺が特徴のベトナムの麺料理。
中でも経済の中心地ホーチミンには、定番からローカルに愛される隠れた名店まで、多種多様な麺料理の店がひしめき合ってます。
定番の「フォー」や、ピリ辛の牛肉麺の「ブンボー・(フエ)」、細麺と豚骨の旨味がたまらない「フーティウ」はもちろん、意外な人気を誇る「ビーフシチューフォー」など、奥深い魅力的な麺料理がたくさんあります。
ここではホーチミンへ行ったら、絶対食べたい庶民的な麵料理を4つご紹介します。

今回紹介するお店はどの店に行っても外すことはありませんので、安心して訪問してください。

安くて美味しいホーチミンの麺料理を、ぜひ堪能してください。
1、PHO VIET NAM
牛肉入り石焼きフォーボー
住所 14 Phạm Hồng Thái, Phường Bến Thành, Quận 1, Hồ Chí Minh
営業時間 AM 6:00~AM3:00(年中無休)

ホーチミンで美味しいフォーを探している皆さん、今回は定番とは一味違う、石焼きフォーが名物の「PHO VIET NAM」をご紹介します。
こちらの店舗は牛肉をメインとしたフォーボーの店です。
自家製麺へのこだわりが光る老舗「PHO VIET NAM」は、地元の人々や観光客でいつも賑わう人気店です。
その人気の秘密は、なんといっても「自家製麺」へのこだわりです。毎日店内で作られる麺は、つるりとなめらかな口当たりと、もっちりとした弾力が特徴。既製品にはない、このフレッシュな食感がスープと絶妙に絡み合います。

数あるメニューの中でも、ぜひ試していただきたいのが「石焼きフォーボー」です。グツグツと沸騰した石鍋で提供されるこのフォーは、見た目のインパクトもさることながら、その美味しさに驚かされます。
熱々のスープに牛肉を入れ、自分の好みの加減に火を通せるのが嬉しいポイント。レア感を残したまま食べてもよし、しっかり火を通して旨味を閉じ込めてもよし。牛肉の種類も豊富で、赤身肉、ブリスケット、牛すじなど、様々な部位を組み合わせた豪華な一品も楽しめます。
自家製麺と石焼きというユニークなスタイルに負けないのが、この店の濃厚で奥深いスープの美味しさ。
牛骨をじっくりと煮込んだスープは、旨味が凝縮されていながらも、しつこさのない上品な味わい。石鍋の熱で最後まで熱々で楽しめるため、香辛料の豊かな香りが立ち上り、より一層美味しく感じられます。
熱々の石鍋で提供される斬新なスタイルと、こだわりが詰まった自家製麺とスープの石焼きフォーボーは、ホーチミンでの 忘れられない体験になるでしょう。
こちらの店舗では普通のフォーボーもあります。石焼きほどのインパクトはありませんが、同じ自家製麵とスープはおすすめできます。

注文の際、少食の方以外は大盛りを推奨します。うちのロンちゃんもいつも大盛りを頼んでいますので、女性の方でも遠慮せず大盛りにしましょう。
またこの店舗は、ベンタイン市場から徒歩2~3分のところにあるのもおすすめポイントです。
中心地から近いので、Grabに乗らずに気軽に行けますね。
店の前に行くと、外で案内している担当の方がいることが多いです。店が混雑しているように見えても安心してください。
写真の店舗の3軒ほど隣にも同じ店があり、そちらの方が空いていることが多いですね。
どちらの店に入っても大丈夫です。担当の人が案内してくれます。
ホーチミンを訪れた際には、ぜひ一度足を運んで、熱々の感動を体験してみてください!

2、HỦ TIẾU MỰC
イカとエビの海鮮フー・ティウ
住所 001 chưng cư A3, Phan Xích Long, Phường 7, Phú Nhuận, Hồ Chí Minh
営業時間 6:00~22:00(年中無休)

ホーチミン中心地から少し離れますが、こちらのフーティウ専門店「HU TIEU MUC」をご紹介します。
「HU TIEU MUC」は、 新鮮なイカをふんだんに使ったフーティウが看板メニューとして知られる名店です。
「フーティウ」はベトナム南部を代表する麺料理です。
フーティウは、米粉で作られた細麺が特徴の麺料理です。お米を原料とする点はフォーと同じですが、フーティウは乾麺として製造されるため、フォーにはないつるりとした独特のコシと歯ごたえがあります。
この食感が、日本の麺好きにも非常に好評です。
店名にある「MUC(ムック)」とはベトナム語で「イカ」を意味し、その名の通り、新鮮でプリプリとしたイカが惜しみなくトッピングされています。
スープは、豚骨をベースにしながらも、イカやエビなどの魚介の旨味が凝縮された、透明感のある優しい味わいが特徴です。
一口飲めば、その奥行きのある味わいに驚かされることでしょう。


また、メニューはとてもシンプルです。イカのフーティウと、イカと大きなエビが入ったフーティウだけで、大盛りもありませんでした。
この店のフーティウのもう一つの特徴は、別皿で提供される茹でたもやしや野菜です。
生の野菜が添えられる店が多い中、温かい野菜がスープと麺に馴染み、食感と風味のアクセントを生み出します。
フォーとは一味違った、コシのある細麺と魚介の旨味が効いたスープが楽しめるフーティウ。
1区中心地から少し離れますが、ビナサンタクシーやGrabで行く価値はあります。
タンソンニャット空港からわりと近いので、空港利用時に寄ってもいいかもしれませんね。
ホーチミンを訪れた際には、この店でベトナムの奥深い食文化に触れてみてはいかがでしょうか。

3、BẾP ÔNG CẬU
石鍋牛肉ブン・ボー
住所 4E Võ Thị Sáu, Phường Tân Định, Quận 1, Hồ Chí Minh
営業時間 6:30~22:00(年中無休)

こちらはホーチミンの石鍋ブンボーが名物の「BEP ONG CAU」です。2024年に開店した新しい店舗で店内も綺麗です。
ベトナム中部の古都フエ発祥の麺料理「ブン・ボー」。
牛肉の旨味とレモングラスの香りが特徴的なこの料理は、ベトナム全土で愛されています。
ブンボーは、ベトナム語で「ブン(bún)」が米麺、「ボー(bò)」が牛肉を意味する通り、牛肉をメインにした麺料理です。
ブンボー・フエと呼ばれるフエ発祥のスタイルでは、太めの米麺と、牛骨をじっくり煮込んだスープに、レモングラスやエビの発酵調味料「マムルオック」を加えるのが特徴です。
このマムルオックが、独特のコクと香りを生み出し、ブンボーならではの深い味わいを形作っています。
ホーチミンには数多くのブンボー専門店がありますが、その中でもユニークなスタイルで知られるのが「BEP ONG CAU」です。
「BEP ONG CAU」では、熱々の石鍋で提供されるブンボーを味わうことができ、他店とは一味違った体験が楽しめます。
スープは最後まで冷めることなく、常にアツアツの状態で楽しむことができます。
さらに、石鍋の遠赤外線効果で、具材や麺がより一層美味しく仕上がります。
この店のスープは、牛骨をじっくりと煮込み、レモングラスや唐辛子、香草を使用しています。
フエの伝統的なレシピを踏襲しながらも、ホーチミンの人々の好みに合わせた、より豊かな香りとコクのあるスープに仕上げられています。


「BEP ONG CAU」のブンボーは、写真のように骨付き牛肉と野菜だけが石鍋に入って出てきます。
別皿で薄切り牛肉、ホルモン、野菜、香草、麺などの具材が贅沢に盛り付けられて出てきます。
ライム、唐辛子などを加えて、自分好みにカスタマイズできるのも魅力です。
従来のブンボーの枠を超えた、新しい食べ方ですね。
また小さなカップに入ったヨーグルトが絶品です。ホーチミンの様々な店で、ヨーグルトやプリンを食べて来ましたが、ここのヨーグルトが一番美味しいです。別料金になりますが、ぜひ忘れずに頼んでください。
ホーチミンを訪れた際には、この「BEP ONG CAU」の石鍋ブンボーを体験してみてください。
1区中心地から少し離れますが、行く価値はあります。

4、PHỞ QUỲNH
ビーフシチューフォー
住所 323 Phạm Ngũ Lão, Phường Phạm Ngũ Lão, Quận 1, Hồ Chí Minh
営業時間 24時間営業(年中無休)


最後にホーチミンの老舗が誇る「ビーフシチューフォー」をご紹介します。
ホーチミン1区中心部に位置する「PHO QUYNH」は、長年にわたり地元住民や観光客に愛されてきた名店です。
この店は、伝統的な牛肉のフォーはもちろんのこと、一風変わった「ビーフシチューフォー(Phở Bò Kho)」が絶品として知られています。
ホーチミンのファングーラオ通りにあり1階と2階が店舗です。また24時間営業していることでも有名です。
そのため、早朝の朝食から夜遅くの夜食まで、いつでも美味しいフォーを気軽に楽しむことができます。
清潔感のある店内と活気あふれる雰囲気も、この店の魅力の一つです。
通常のフォーは、牛肉や鶏肉の出汁をベースにした透明なスープが特徴ですが、ビーフシチューフォーは、その名の通り少し緩めのビーフシチューのようなスープが特徴です。
食べる前のイメージとしては薄くゆるいビーフシチューのようで、はっきり言ってしまうと美味しくないんじゃないかと思ってました。実際食べると、とても美味しく予想を覆されましたね。
「Bò Kho(ボーコー)」と呼ばれるこの料理は、牛肉、にんじん、タマネギなどを、レモングラスや八角、シナモンなどのスパイスと一緒にじっくりと煮込んだものです。
フォーの柔らかい米麺に、牛肉の旨味が溶け出したこのスープがよく絡み、食欲を刺激されます。
フォーの麺で楽しむのが一般的ですが、ベトナムではフランスパンを添えて食べるのも定番です。
カリッと焼かれたパンを濃厚なスープに浸して食べるスタイルは、麺とはまた違った食感と風味が楽しめ、二度美味しい体験ができます。
「PHO QUYNH」のビーフシチューフォーは、フランスの食文化の影響を受けて生まれた「ボーコー」と、ベトナムの伝統的な麺料理である「フォー」が見事に融合した、まさにベトナム料理の多様性を象徴する一杯と言えるでしょう。
メニューも豊富で、ほかにも食べてみたい美味しそうな料理はたくさんありました。
1区中心部から近い「PHO QUYNH」をぜひ訪れてみてください。ベトナムの食文化の奥深さを実感できます。


5、まとめと注意点
●ベンタイン市場から近く、歩いて行ける PHO VIET NAM の牛肉入り石焼きフォーボーは絶品です。自家製麵がアピールポイントで、店舗も2か所あり入りやすいです。
●1区中心部から離れますが、HU TIEU MUC のイカとエビのフー・ティウは行く価値あります。メニューはシンプルです。
●こちらも中心部から離れますが、BEP ONG CAU の石鍋牛肉ブン・ボーも行く価値あります。メニューは豊富にあり、ヨーグルトが絶品です。
●24時間営業で1区中心地から近い PHO QUYNH はいつでも行きやすいです。メニューも豊富にあり、何回かにわけて行く方がいいでしょう。
●昼食時など混んでいるときでも、店員さんに人数を伝え待ちましょう。店舗にもよりますが、どこも回転は早い方です。ただ暑い席などはずれを引くこともあります。混雑する時間帯を避けるなど、工夫を!
●辛いものが好きな人でも、とうがらしには注意してください。入れたい方は、まずは1つからにしましょう。店に入って、やっと引いた汗が噴き出て止まらなくなる場合もあります。とうがらしの種類や個体差によってもかわりますので、細心の注意を!
味変や辛くしたい場合はテーブルにあるチリソースや胡椒をおすすめします。

●お手拭き(ウエットティッシュ)は有料です。ひとつ3,000VNDの店がほとんどです。使った場合だけ加算されます。追加もOKです。
●大人数で行った時の支払いは、レシートをきちんと確認しましょう。間違いはわりとあります。

卓上のソースやニンニクなど小皿に取って、肉や野菜をつけて食べても美味しいですよ。

とうがらしは本当に気をつけてください。汗が止まらなくなったのは、私の実体験です。